チエノワでは新・定番メニューとして、『チエノワのチキンカレー』をご用意しました。
また、看板メニューの『あいがけカレー』と合体させた『3種のあいがけカレー』をご提供するようにもなりました。ただ、よくよく考えると『あいがけカレー』のことをきちんと書いたことがなかった気がします。
看板メニューなのに。
ということで、チエノワの看板メニュー『あいがけカレー』のうちポークビンダルーのことをお話しさせていただきます。
ポークビンダルー
チエノワとして活動を始めた頃から作り続けている自信作です。「チエノワといえば、コレ!」のコレです。
バスケットボールでは、その選手の象徴的なプレーを「シグネチャームーブ」と言います(八村選手のバンプからフェイダウェイ、比江島選手の比江島ステップ、アイバーソンのクロスオーバーやハーデンのステップバック3Pはみなさんご存知のシグネチャームーブですね)が、いわば「チエノワのシグネチャーメニュー」と言っても過言ではないでしょう。
それが、チエノワにとってのポークビンダルーです。
そもそもどこのカレー?
ポークビンダルーはポルトガル領だったインドのゴア地方由来のスパイスカレーで、ポルトガル料理を起源とするそうです。
ヨーロッパの方から船でインドに来ると、まず西海岸に着きますね。
「ポルトガルといえば、誰?」という質問をすると、大抵の方は「クリスティアーノ・ロナウド」か「フランシスコ・ザビエル」と回答されると思いますが、あの有名な宣教師ザビエルさんの遺体が安置されているのがゴアです。
つまり、インドにして、キリスト教の影響もある地域だそう。ヒンドゥー教(牛肉を食べない)やイスラーム(豚肉を食べない)が多いインドの中では、少し特殊な食文化が育った地域なのでしょう。
“ポーク”ビンダルーの名の通り、豚肉を使ったカレーです。
ポークビンダルーの特徴
酢やワインを使っているので、ほのかに酸味が感じられます。
豚肩ロース肉がゴロゴロと入っていますが、一晩かけてマリネしているもの。漬け込む時間も含めると、チエノワの中では最も仕込みに時間がかかっているメニューです。
最近ジワジワと人気が広がっていっているポークビンダルーの特徴は、よく「酸っぱ辛いスパイスカレー」と表現されます。
僕はこの「酸っぱ辛い」というのが大好きです。特に、大好きなサウナ施設である佐世保の「サウナサン」では、サウナ後のごはん”サ飯”として酸辣湯麺を食べることが多いです。汗をかいた後、サウナに入って温まった体を、酸味と辛味でもう一汗かいて落ち着かせるんですね。
「酸っぱ辛いポークビンダルーは”サ飯”にもいいのではないか!」というのが、ポークビンダルーをチエノワの顔に据えようと思った理由の一つです(僕の個人的な見解です)。

この頃はまだちょっと辛い。
チエノワらしいポークビンダルー
しかし、現在のチエノワのスパイスカレーは辛味スパイスを一切使いません。ですので、強いて言うなら「酸っぱ”旨い”スパイスカレー」でしょうか。
食べた時の満足感を、辛味ではなく旨みやコクで満たすことはできないかと試作しました。玉ねぎとトマトにしっっっっっっかりと火入れしてメイラード反応を促進させると、旨みとコクが豊かになります。グレイビー(スパイスカレーのタネ)づくりでこだわっている点です。
そもそも、智恵氏がスパイスに触れたきっかけは「体の冷えに由来する体調不良を改善したい」というものでした。辛味スパイスは辛さによって一時的に体温は上がりますが、発汗作用でむしろ放熱し、結果的には体温を下げる働きもあります(暑い夏に辛いものを食べたくなるのはこの作用ですね)。

予定変更して遠征中に2度食べたほど。
列に並ぶのが苦手な僕でも、ごく自然にこの列に並びました。そのくらい食べたかった。
智恵氏だからこそ作れるカレーを突き詰めようという最中、辛くないカレーを食べて衝撃を受け、思い切って辛さをなくしたポークビンダルーを作るようになりました。グレイビー作りでどのように火入れをすると目一杯旨味とコクが増すのかを、様々に何度も試していました。
それが、まだ店舗を持っていない2年前(2023年)の話です。
月に2~3回程度の営業で食べていただいた方にも「またあのカレーを食べたいな」と思い出していただけるように、そうしてまた同じものを食べていただけるように、ポークビンダルーを一貫して作り続けてきました。






あいがけにするカレーやアチャールは様々に変わってきましたが、ポークビンダルーはその頃からずっと変わらず作り続けています。
これからもチエノワのポークビンダルーをよろしくお願いします。
チエノワのシグネチャーメニューである『ポークビンダルー』のご紹介でした。
今では、辛味が苦手な人はもちろん、ご年配の方やお子様など幅広い世代の方や、そもそもスパイスカレーに初挑戦という方にもお召し上がりいただいています。

大人と全く同じものを、お子様サイズで。
皆さんで楽しんでいただけたら幸いです。
ご来店お待ちしております。




