Laboには、本を置いている場所が2ヶ所あります。奥の部屋の元押し入れのところと、中央付近でお冷を入れているウォーターサーバーのある棚です。
その両方に、小さなPOPを添えて、「緑色の本」を置いています。

『80 years & beyond 爆心地から、世田谷』という本です。
発行されてから1年。
先日、著書のtanamaさんが記念日に投稿されていたのを見まして、改めてこのブログでもきちんと書いておくことにしました(Instagramでは過去にも何度か投稿しています)。
お食事が来るまでの間に、気軽に手に取って見てみて欲しい本なので再度ご紹介いたします。

『80 years & beyond 爆心地から、世田谷』
tanamaさんは、東京・世田谷在住の被爆者団体「世田谷同友会」の活動に同行しながら、その日常を撮影されてきました。
自主的に始めた活動で、戦後80年だった昨年で12年分の写真を残してきたそうです。

これまでの活動の一つの節目として、戦後80年だった2025年の6月にこの本を製作されました。
本の制作に際して、クラウドファンディングも行いました。


tanamaさんが佐世保市出身だったこともきっかけの一つで、数年前からチエノワの2人とも仲良くしてくださっています。
定期的に東京へ遠征する時にはほぼ毎回お会いしていて、いつも美味しい酒場へ誘ってくれるのです。


お友達になってしばらく経ってから、この活動のことを知りました。
2023年に佐世保で開催された個展にお邪魔して、初めてきちんと写真とtanamaさんの想いが綴られた文章に心を打たれました。
そして戦後80年だった2025年、tanamaさんが「緑の本」と呼ぶ『80 years & beyond 爆心地から、世田谷』は発売。
これに際して、6月の長崎をはじめ、東京、広島でもそれぞれ写真展を開催されました。
長崎での個展の開催に際しては、設営などなどでちょっとお手伝いもさせてもらえました。

個展の準備をお手伝い。
この時にさまざまなメディアでも取り上げられていたので、いろんな方がtanamaさんの活動を見聞きしたのではないかなと思います。


見え方が、変わる
鮮やかな緑に惹かれて何の気なしに手に取り、タイトルも見ずにページをパラパラとめくってみると、きっと何の本なのかわからないと思います。



サラリと眺めて目に入ってくるのは、おじいちゃんやおばあちゃんの、楽しそうにしている普通のポートレート写真。
タバコを吸っていたり、
カラオケをしていたり、
旅行の最中にみんなでお散歩していたり。
でも、よくよく見るとそれだけではありません。
真剣な眼差しで語りかける様子もあります。

タイトルを見て、
tanamaさんが写真とともに添えている言葉に触れ、
改めて写真を見てみると、
見え方や感じ方がちょっと変わってきます。


その笑顔の奥、眼差しの向こう、手のしわに、一体どんな記憶が刻まれてきたのでしょう。
あの日、あの瞬間の記憶だけでなく、あの時から今日に至るまで、「被爆者」と呼ばれるようになったことで生じた出来事にも想像を巡らせます。
きっとこの『80 years & beyond 爆心地から、世田谷』に触れていくと、ふと写真や文章から目を離してぼんやりと虚空を泳ぎながら、その写真や言葉と向き合っているかもしれません。
日常に在ってほしい
「緑の本」発行から1年ということで、tanamaさんがInstagramに投稿されていました。
特に印象的だったのが、この本が「日常に在ってほしい」ということです。
お茶を飲みながら、家族や友人と話しながら、子どもをあやしながら
Instagram:@tanamaphoto
時々思い出したように手に取って、好きな時にパラパラとページをめくってほしい。
日常の一部、その人の大事にしている風景の一部にこの本が在ってほしい。
1945年からどんどん時間は経っていって、今年であれから81年。
「あの日」を経験した方々が段々と人生を全うされていく中で、これからどう向き合っていけば良いのでしょう。
「あの日」を詳細に知ることができる記録写真や、「あの日」を生々しく感じることができる体験談だけではない、これまでになかったような「考える機会」や「触れるきっかけ」があるといいのだろうなと思っていました。

「原爆」となるとどうしても、「重い」「苦しい」「恐ろしい」というイメージがありますし、それは間違いありません。
ただ、この「緑の本」からはそういったことはあまり感じられることなく、むしろ気軽にパラパラとめくることもできそうな佇まい。
この本が日常に在ることで、改めてこれからの「平和」について思いを巡らせる機会に繋がりそうな気がします。
Laboでも、買えます
チエノワは、友人でもあり、この活動に全力で取り組んでいる、尊敬するtanamaさんを応援しています。
そんなわけで、『80 years & beyond 爆心地から、世田谷』を実際に手に取ってもらえるよう店内に2冊配置しつつ、店頭での購入もできるように販売も行っています。

つい先日の6月末も、お客さんに1冊ご購入いただきました。
まだ少し販売分がありますので、ご興味のある方はぜひどうぞ。
取り置きもいたしますので、ご希望の方はご連絡ください。
店頭での購入が難しい場合は、オンラインショップでの購入もできます。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
まずは、Laboへお越しの際にぜひ気軽に手に取ってみてください。

「緑の本」のこと
本の詳細
東京に生きる被爆者の姿を12年間にわたり撮影したポートレート集
東京・世田谷区在住の被爆者の団体「世田谷同友会」の会員たちの活動に同行しながら「いまを生きる被爆者」の日常の姿を12年にわたり撮影し続ける長崎県佐世保市出身・東京在住の写真家tanamaが、戦後80年を迎える2025年に初めて出版する写真集。未発表作品を含む100枚弱の写真と、彼らを見つめ続けてきたtanamaが綴るエッセイにより構成されている。
物悲しく悲惨な印象を受ける原爆の「記録写真」ではなく、私たちと同じように昨日から地続きの今日を生きる被爆者たちの生き生きとした表情が収められた、戦後80年を迎える今こそ手に取りたい一冊。
発行日:2025年6月16日
仕様:上製本、H220mm × W148mm、全160ページ
表紙デザイン:蜷木翔一
デザイン:藤木敦子
印刷・製本:シナノグラフィックス
定価:3,300円(税込)
tanamaさんのリンク集
「緑の本」に関するチエノワの過去の投稿








